革所のブックカバー

「物語のはじまり」

革所の最初の商品は、革所の物語がはじまるような文庫本カバーから始まりました。

革所のサンプル

一番初めに何から作ろうかな?

職人さんと相談しながらサンプルを作り始めました。「こういうのが作りたい!」という物は沢山あるのですが、まず革屋さんに行って色々な革を見ました。革屋さんだけでなく革紐やベルトを作っている職人さんの元にも連れて行っていただいて、皆さんから沢山意見をもらって、見せていただいた沢山の革から気になるものを見つけました。
栃木レザーの中でもとってもいい革なんだけど、どうしても傷や皺が多くて売れなくて。(高いのに傷があったら買いたくないよね…)でもその革の良さを生かしつつ加工を加えてさらに雰囲気を出した革でした。もうなんだかすんごい革で。笑
とにかく凄く手間暇がかかった革なんです。
オイルがついていて初めは白っぽくくすんでいて、使っていくうちにどんどん馴染んでいい具合に照り感が出てくるので経年変化を凄く感じることができます。
私にはそれが霧が晴れていくようで、(霧の立ち込めている雰囲気も大好きだけど。)とても魅力的に感じました。

この革をみて、直感的に文庫本カバーが作りたいと思いました。
一冊の本を読み終わる頃には少しは革の表情も変わり、何冊も読み終わる頃にはきっととってもいい表情に変わっているはずです。本を読む度にこの文庫本カバーも物語が進んでいくのです。

革所のサンプル

次に作り始めたのは手帳カバー。
予定や日記、イラストなど沢山自分の事を書いていく手帳はまさに自分の物語を書いた本だと思う。

読み返した時にいい物語だと思えるような手帳にしたい。年が変わって中身が変わり新たな章が始まっても手帳カバーは変わらず、自分と共にどんどん年季が入って、いい具合に味を出していけたら素敵なんじゃないかな。

あ、ペンケースは単純に自分が欲しいから作ってます。笑
組み立て方にこだわっていて、職人さんも「こんなの作ったことない」と少し難しそうでしたが色々工夫して下さったおかげでサンプルがとてもいい表情をしていました。

数年前から企画していて、職人さんとわいわいしながらゆーっくり年月をかけてやっと形になった初めてのサンプル。笑
凄くシンプルな見た目ですが、革の側面の「コバ」と言われる部分の処理を凄く丁寧に仕上げたり、シンプルだからこそ手間をかけて作っていきます。
まだ他にも製作中ですのでサンプルができたら紹介したいと思います。

長くなりましたが今回はこの辺りでおしまいにします。

最後までお読みいただきありがとうございました。