革所の物作り

「一つの物が出来上がるまで」

少し前の事ですが職人さんの工場へ見学に行かせていただきました。
「革所」は私たち夫婦だけではなく、沢山の人の支えがあり、その人達の未来も考えて進んでいくべきだと考えています。
今回見学させていただいたのは初めましての職人さん。以前から私たちと共に進んでいただいている職人さんと一緒に、これから革所の"物"を作っていただきます。
今回はそんな"物"が出来上がるまでの流れを、ざっくりとではありますがお伝えしたいと思います。

革所の物作り
革所の物作り
革所の物作り

まずは素材選び。
金具やファスナーや糸など色々選ぶものはありますが、やはり一番重要なのはメインの革。

革所の物作り
この革が出来上がるまでもすごく長い手順があり、沢山の人の手を経て私たちの手に渡ります。革の処理も勿論ですがもっと先の話になると、牛、その牛を育てる人、餌を作る人…などなど”その先”には沢山の人や生き物が関わっています。この大きな革を見ていると、この牛はどんな柄でどのようにして一生を終わらせたんだろう。命を頂くということは一物全体と言われるようにすべてを無駄なく戴くという気持ちを忘れないようにしないと。と、そんなことを考えたりします。 すこし話はそれましたが、革の処理方法などを話し出すと終わらないので作業工程に進みたいと思います。

ちなみにこの革については以前のBlogにすこし綴っていますのでよろしければ。↓
物語のはじまり
革所の物作り
革所の物作り

どんなものが作りたいのか形が決まったら、金型を作り、その金型を使い革を型抜きします。
これは手帳カバーに使われている金型。クッキーの型抜きのように機械でズドンと押すと綺麗にパーツが仕上がります。

革所の物作り
革所の物作り

革の細かい部分を処理します。
革の端(コバ)の角を丸くするように一つずつ面取りをし、木の棒で磨いて艶を出していきます。地味で大変な作業ですが、このコバの処理を丁寧にするのとしないのとでは完成されたときの印象や手触りなどを大きく変えてしまうので、全部の面を頑張ってつやっつやにしていただきます。笑

革所の物作り
革所の物作り

折り返す部分や張り合わせる部分などは革が厚いと曲がらなかったり不格好になるので、すいて薄くします。
あとは革用ミシンで革を縫い合わせたり、ファスナーを付けたり…そして思い描いていた”物”が完成します。

革所

最後にロゴを押して、革所の一つの物が出来上がります。

なんだか言葉足らず過ぎて簡単に完成した感じになってしまいましたが、とても大変な作業ばかりなんです。私はミシンもまっすぐ縫えないしコバもつやつやに出来ません。長年の職人さんの腕がとてもいいのです。
ちなみに職人さんは皆さん動物が好きで、保護活動を応援されていたり、ご自身も猫を飼われていたり。優しい方ばかり。しかも面白い方でこの写真を撮ったときに「こんなにアップで撮られるならマニキュアでも塗っといたらよかった~」と言っていました。笑
職人さんならではの手、素敵ですよ。

長くなりましたが今回はこの辺りでおしまいにします。

最後までお読みいただきありがとうございました。